一般に、男性の家事手伝い自慢くらいウザいものはない*1わけですが、あえて書く。
でも、以下のエピソードは半分フィクションです。
卒論ちゃん(最愛の妻)「あ、そろそろ料理用の油がなくなっちゃう」
filinion「ふふふ、そう言うと思って、新しいのを買っておいたんだよ」
卒論ちゃん「ありがとう! ……って、なんでこんな小さいのを買ったの? しかもガラス瓶じゃない! 不燃ゴミは月に一度しか収集日がなくて処理が面倒だから、なるべく出さないようにしてるのに……」
filinion「買ってもらってその態度は何!?」
というようなことがあったのです。
……どの辺がフィクションかと言うと、実際には立場が逆でした。
いや、謝りましたよちゃんと。
「先に家に帰った方が夕食を作る」というのが、結婚前からの約束なのですが、なにしろ休職期間中は私はずっと在宅だったので、毎日私が料理。
卒論ちゃん曰く、
「わーい、ダーリンがお休みっていいにゃー。お料理も作ってもらえるしー、掃除も洗濯もしてもらえるしー、最高にゃ!」
「喜んでもらえてよかった」
「はっ! でも、これに慣れちゃだめなんだにゃ! 4月からはダーリンもお仕事なんだし!」
「そうね……」
まあ、実際には、校長先生が配慮してくださって、今年は校務分掌がほとんど割り振られておらず、定時で帰れてしまいます。
なので、たぶん今年度中は私が食事当番。
そうしてみると、専業主婦と働く夫がケンカする理由がわかるなー、と思うことでした。
例えば、妻が食事の支度をしてる間に夫が座ってテレビを見ているとか、不和の種になりがちな気がします。
夫にしてみれば、
「外で働くのは自分の仕事、家事は妻の仕事」
という認識なわけです。
帰宅すれば、自分はいわば「休憩時間」ですから、妻が違うシフトで働いているからといって引け目を感じたりはしません。
でも、夫が働いている間、妻が休憩時間だったかと言えばそんなことはなく、その上、食事の用意をするのは主に夫のためだったりします。
(食べるのが自分だけだったらもっと手を抜ける)
「自分が忙しく働いているのに、夫が何もしないで『飯まだー?』とか言うのは何事か」
とイライラするのもわかります。
……いや、実際、私も卒論ちゃんに
「ご飯をよそうくらいは手伝えよ!」
と思ったことは私も何度かあったのですが、しかし私の場合、外で働くことの大変さは身にしみてわかっています(なにしろそれに耐えきれなくて休職してたわけです)から、その都度思い直したのですが。
テレビとか見る限り、朝、出勤時にゴミ出しをさせられるのに不満を感じる男性も多いようですが、この辺の食い違いもなんか理解できる気がします。
夫:自分はこれから社会での戦いに出かけるのである。
その、気を引き締めて出立すべき時に、妻は感謝の気持ちを込めて送り出すべきではないか。
こともあろうにゴミ出しをやらせるとは何事か。
そもそもそれは家事の範疇であって、本来自分の仕事ではない。
妻:生活ゴミは重量もあり、自分が運ぶには負担が大きい。
夫は出勤時にゴミ集積所の前を通るのだから、その処理を頼むのは理にかなっている。
そもそも、生活ゴミが出るのは自分が家族のために家事をした結果である。
その受益者である夫は、ゴミを受け取る時にねぎらいの一言くらいあってしかるべきではないか。
我が家では、ゴミは夜に私が出しますけどね。
朝は二人とも忙しくて出す余裕がない。*2
卒論ちゃんもその点は感謝してくれるし。
結局、専業主婦と夫、という組み合わせだと、互いの仕事内容が大きく違う上に、自分がいない間に相手が何をしているのかがお互いに見えていないのが、不満がたまる原因なんだろうな、と思います。
……養護教諭が担任に「養護教諭は通知票書かなくてすんでいいなあ」って言われてカチンと来るようなものですかね。
わかりづらい喩えですみません。
何事によらず、分業というのは仕事を効率よく片付けるのに有効な手立てだけど、相手の仕事が見えなくなった結果、セクションごとの対立が起きたりするのは困ったものだよな、と思います。
部署間の人事交流があれば、お互いの事情がわかって多少は軽減されるんでしょうけど、専業主婦と人事交流するのは難しいものなあ……。
まあ、とりあえず、我が家はお互いの立場が分かって(私も専業主婦の気持ちがちょっとわかって)良かったな、と思う次第でした。