暴走族じゃないよ! 43歳の会計士だよ!

 偏見というのは相互理解の不足が原因だよね、という話。
 
 ツーリングが趣味の方には大変申し訳ないのですが、子どもの頃の私は、集団でバイクに乗ってる人たちを見ると、
「暴走族だ!」
 とか思って、怖いものを見たような思いを抱くのが通例でした。
 
 さすがに「暴走族」という思い込みは最近ではなくなったものの、フルフェイスヘルメットとかゴーグルとかしてる人や、妙にゴテゴテしたバイクに乗ってる人にはちょっと近寄りがたく感じるのは同様で。
 
 ……が、最近、こんな記事を読みまして。
ハーレーの社員に自分は「バイクを作っている」と思っているバカは一人もいない
 
 孫引きになっちゃうんですが、主にこの部分。

”ハーレーの大物ボス”はこんな説明をする。
「われわれが売っているのは、43歳の会計士が黒いレザーのライダースーツに身を包み、小さな町々を走り抜け、周りの人たちに恐怖を与える、そんな力だ」

 「会計士」というと、モンティ・パイソンの「公認会計士のダンス」とかひどいイメージしかないんですが、ここでも「平凡な一市民」の代表として例示されているのかと思います。
 
 これを読んでなんか印象が変わりました。
 
 ゴテゴテしたバイクに乗ってる人を見ても、
「ああ、あの人も平日はフツーにルーチンワークをこなしてる43歳の会計士なんだなー」
 と。
 
 ……いや、こういう「理解」は、ハーレーに乗ってる人や、ハーレー・ダビッドソン社の人にとってはむしろ迷惑な理解かも知れないですが。
 相互理解というより、ある偏見が別の偏見に移行しただけかも知れないし。
 
 ともあれ、相手を「一人の人間」と見なすことから全ては始まるのですよ! ……と、強引にまとめて終わる。