本当にあった怖い話(転校生編)

 何が怖いのかは読者の判断に任せるとして。
 
 先日のこと。
 
Y教諭「……転校生って、いないですよね?」
教務 「いないわよー。なんで?」
Y教諭「それが、うちのクラスの子が、『先生、転校生が来るんですか?』って……」
教務 「どうしてそんなこと聞くんだろう?」
Y教諭「『理科室の前に見慣れない子がいたから、転校してくるのかと思った』って……」
教務 「えー!?」
H教諭「あれ、うちのクラスの子も、前に似たようなこと言ってましたね。男の子で……」
Y教諭「そうですそうです!」
 
 「近所の子なんじゃね?」
 とか思われるかも知れませんが、「近所の子」はみんな本校の児童のはずです。
 
 っていうか、本校のような僻地に「見慣れない子」が存在する余地はないのです。
 
 とりあえず、背格好などから判断する限り、どうも同じ男の子が目撃されている模様。
 
教務「ちょっ……こわーい!」
 
T教諭「いいんじゃないの? 学年によっては複式解消になるし」
K村 「人間じゃない子どもでも解消になるんですか」
T教諭「住所不定とかだとちょっと厳しいかなー」
 
 本校、来年度から転校して行く子がおり、それに伴って複式学級*1ができてしまう予定なのです。
 
 これはなるほど教師にとっても恐ろしいことなのですが。
  
 ……かつて、学級編成が変わるのを避けるために、架空の児童生徒がいるかのごとく書類を捏造していた学校が問題になったそうですけど。
 そういうレベルではなく、実体のある「幽霊児童」。
 
 鬼籍に入ってる人が在籍する学級。
 やだそんなクラス。
 
 ……と、それはそれとして、
 
教務 「やだー、こわいよねー。ほら子どもってさー、なんか霊感とか鋭いっていうから、ほんとに何かいるのかも知れないよねー」
 
 ……。
 
 ともあれ、いまだ「男の子」の正体は不明ですが、今のところ幽霊から転入の連絡もないようです。
 

*1: 人数の少ない複数の学年を一つのクラスに統合すること。
 人数が一定の基準を下回った場合にはそのように編成しなければならない、と、法令で決まっています。
 
 北海道教育庁では「自分で勉強する力がつく」とか、メリットもあるようなことを主張していましたが、まあ子どもたちにはほとんどデメリットしかないと考えて良いと思います。
(というか、人件費削減という財政上のメリットから行われる措置)