選別。

しばらく前のこと。
 
保護者向けに学校評価アンケートを行ったのですが、回収したアンケート用紙を見ながら、教務とか教頭とか養護教諭とかが憤慨していました。
 
これはひどい!」
「なんてこと書く人がいるんだろう!」
 
何事か、と思ったら、5年生の保護者から、
「A児は鱶沢小学校で指導するのではなく、特別支援学級のある学校への転校を促すべきではないか」
……といったような内容の意見があったのでした。
 
A児は5年生です。
 
対人関係などでトラブルを起こすことが多く、学業もふるわず。
 
A児の保護者の希望もあり、現在、算数の時間に限って、教務主任と教頭が交代で別室で個別指導にあたっています。
 
学業面がどうなのかはよくわかりませんが、教頭から、
「先生、算数ドリル、教師用のとか余ってる? A児ちゃんの授業で使いたいんだけど」
などと言われたことがあります。
(その時A児は5年生で、私は1年担任でした)
 
A児は、専門機関で検査を受けた結果、
「普通学級で指導するのは困難」
と判定されています。
 
……。
 
どうなんでしょうね。
 
確かに、
「A児みたいな子がいると、ウチの子の指導がおろそかになりかねない。A児は邪魔だから転校させて欲しい」
……という風に捉えると、「ひどい」意見ではあります。
 
ただ、教頭・教務を週に何時間も拘束する、というのは、そもそも職員の少ない本校としては、かなりのエネルギーを費やしていると言ってよいとも思うわけで。
 
私「個別指導、効果あるんでしょうか」
H「気休めだね」
私「そうなんですか」
H「多少理解が遅いくらいなら、個別指導でなんとかなるかも知れないけど。
でも、5年生の段階で、数の合成分解*1が怪しいんだもの……。
もしも個別支援程度で効果があるようなら、逆に今までの担任は何やってたんだ、って話だよ」
 
……。
 
A児、個別指導には喜んで参加してるらしいんですが。
 
どうなんでしょうね。
 
特別支援教育を受けた方が良いと思われるので、特別支援教室への転校を勧め、鱶沢小学校は普通教室の児童の指導に注力した方が良い」
というのが「ひどい」意見なのだとしたら、そもそも特別支援教育ってなんなんでしょう?

*1:「10は6といくつに分けられますか」
というようなもの。