峻別は難しい。

先日、卒論ちゃんが泣きながら電話してきました。
 
「先輩なんか大嫌い! 結婚もしない!」
 
ななななにごとですか。
 
よくよく聞けば、つまりこのブログの記事を読んだみたいです。
 
具体的には、「神の手」に関するやつ(http://d.hatena.ne.jp/filinion/20080115)と、アロエとかネットワークビジネスとかに関するやつ(http://d.hatena.ne.jp/filinion/20071219/1198078071)。
 
プチ修羅場。
 
「私は先輩にも見て欲しいな、って思ってメールしたのに! ひどい! 先輩だって、“教えてくれてありがとう”ってメール返しといてあんなこと書くなんて、ひどいよ!」
「……いや、あの、教えてくれたその気持ちがうれしかったのは本当なんだよ……」
 
「英会話に誘ったのだって、別にアロエがどうこうじゃなくて、先輩が英語を習いたいの知ってて、だから、って思ったのに!」
「それはわかってるし、うれしいんだ。ただ、“FLPに勧誘するつもりは全然ないのに、誘った先はFLPの人の集まりだった”という卒論ちゃんの状況が心配で……」
 
あんまりプチでもない気がしてきた。
 
「先輩だって、あたしがネットで先輩の悪口とか書いてたらどう思うの!?」
「うーん……」
 
どうかしら。
 
「……でもさ、結婚したら、卒論ちゃんだって、私についての不満とか愚痴とか、誰かにこぼすこともあると思うんだ。
それが、私との共通の知り合いじゃないこともあるんじゃないかな。
私の場合、それがブログを読んでくれてる人だという……」
 
正直言って、私は、卒論ちゃんがネットで私の悪口書いててもあんまり気にならないような。
 
特に、URLとかを教えてくれてれば、「違うよ」と思った時にはそう言える(ブログだったら記事にコメントするかも)し……。
 
そりゃまあ、
「何書いてるのかな」
とは思いますけど。
 
価値観の違い、なんでしょうか。
 
このブログのことは卒論ちゃんにはずいぶん前から教えていたので、よもや今になって問題になろうとは……。
 
ともあれ、しばらく話し合い。
 
卒論ちゃん「のろけてるのはいいけど、悪口みたいなのを書いてるのはやだ」
 
それ、実は峻別が難しいかも。
「卒論ちゃんは職場の男性にもててるみたいで心配だ」
っていうのは愚痴なんでしょうかのろけなんでしょうか。
 
私「あー、でも、ブログ読んでる人はみんな、私が卒論ちゃんのこと好きだって知ってると思うよ?」
 
となりの801ちゃん」だって、客観的に見ると、筆者がひたすら彼女の奇行をつづったブログですけど。
でもなぜか、801ちゃんへの愛があふれてるのが感じられるという……。
 
……考えるまでもなくのろけですね、すみません。
 
卒論ちゃん「ともかく、先輩は私のこと心配しすぎなんだにゃ!」
私「んー、でも、卒論ちゃんが変な団体に入りそうな気がしたら、やっぱり心配するよ」
卒論ちゃん「私は子どもじゃないにゃ! 先輩の判断が間違ってて、私が正しいかもしれないでしょー?」
 
……そりゃまあ、そうですが。
 
私「でもね、もしも私が変な宗教団体に入る、って言い出したら、卒論ちゃんだって心配するでしょ?」
卒論ちゃん「んー? あたしは別に平気」
 
価値観の違いなんでしょうか。*1

*1:私は、
「自分はマルチ商法とかインチキ宗教とかを見抜く力を持っていて、卒論ちゃんはそうではない」
などと主張するつもりはありません。
 
自分を含め、人間の「信念」とか「判断力」というものは、大して信頼できるものではないと思います。
人間は誰しも、怪しげな団体にだまされ、人生を棒に振る可能性がある、と、私は思うのです。
 
そういう団体は、始めから怪しげなのではなく、「カレーサークル」とか「ボランティアの英会話教室」とか「無料の聖書研究会」とか、無害そうな姿で近寄ってきて、段々とその人の考え方に影響を与えていきます。
そして、気が付いた時には、以前の自分だったら絶対しなかった、というようなことをやっていることになるわけです。
 
「あんな怪しげなものにハマるなんて、バカじゃないのか」
などと感じるものも、実は他人事ではない……と、思います。

だから、少しでも「怪しい」と感じたら下調べをすること、距離を取ることが大事だ、と、私は思うのです。

↓この本、すごくお勧め。
マインド・コントロールとは何か