郵政民営化で郵便局はどう変わったか(偏った視点)

生活科の校外学習のために、市の中央郵便局に見学依頼の電話をしました。
 
よもや断られることはあるまい、と思っていたのですが。
 
……断られました。
 
いわく、
「民営化の直後で、受け入れる余裕がございませんので、本年度はお断りさせて頂いております」。
 
むむう。
 
民営化で、電話対応はとても丁寧になった気がするんですが。
丁寧だけど内容的には逆に厳しい。
 
で、今度は学校近くの郵便局に電話してみました。
 
郵「ええとですね。申し訳ないんですが……」
私「だめですか」
郵「いや……だめ、と言いますか……」
 
話を聞いてわかったこと。
 
郵政民営化に伴い、郵便事業は分社化されることになった。
・これによって、窓口業務と集配業務は別の会社が請け負うことになっている。
・今、電話を受けているのは鱶沢郵便局窓口なので、集配業務について見学の可否を言える立場にない。

 
郵「窓口の見学だけでしたら、して頂けるんですけども……」
私「いや……それは……」
郵「ええ……ほんとに窓口だけしかないですからねえ……」
 
内容は厳しいですが、大変丁寧に説明してくれました。
 
郵「建物としては、以前同様、同じ建物に入ってるんですけども、こちらとあちら、壁で仕切られて、鍵がかかってるような状態でして」
私「ははあ」
 
ベルリンの壁か。
 
以前見学した時には、壁はあったけど、ドアは鍵のない引き戸でした。
 
郵「以前でしたら、見学に来て頂いて、子どもさん達に仕分けの様子を見て頂いたり、消印を試しに押して頂いたり、郵便車に乗って頂いたり、ポストを開けて中を見て頂いたり……できたんですけどねえ……」
私「ええ……」
 
その節はお世話になりました……。
 
大変丁寧に説明してくれましたが、内容は……
 
厳しい、というより、すごく切なげでした。
 
「今ではやらせてあげられなくなってしまったこと」
の列挙に、やるせない思いを感じました。
 
旧郵便局の勤務ってよくわかんないんですが、対応してくれた「窓口」の人、以前は集配にも関わってた人だったんじゃないでしょうか。
それで、集配業務に誇りがあって、子どもたちが見学に来るのも好きだったんじゃないでしょうかね。
 
少なくとも、以前(一昨年です)見学に行った時に対応してくれた方(電話の方と同じかどうかはわかりません)は、すごく子どもたちに親切にしてくれたんですが……。
 
郵「ですので、集配部分の見学については、虚実中央郵便局……正確には、郵便事業株式会社虚実支店集配センター*1に問い合わせて頂くようになります」
私「ああ……。実は、中央郵便局にはすでに問い合わせをしておりまして」
郵「そうですか……。お役に立てず、申し訳ありません」
私「いえ、ありがとうございました」
 
思わず、ご苦労様です、と言って電話を切りました。
 
郵政民営化については、正直よく分かりません。
 
民営化のメリットも、きっとあるんでしょう。
一方で、料金の一部値上げとか、痛い人には痛いんでしょう。
 
ただ、そういった経済的なあれこれとは違う何かが失われてしまったのではないか。
無益な感傷なのかも知れませんし、別段「民営化反対」とか言い出す気もないんですが、電話越しの「窓口」の方の消沈した声が心に残ったことでした。

*1:この人は正確に教えてくれたんですが私はうろ覚えなので、この文は不正確。