教員採用試験対策(小論文編)

小論文対策はこの記事の真ん中より後からなので、受験生の方はそこまで読み飛ばして下さい!
 
もうすぐ、教員採用試験の二次試験の季節ですね。
 
色々思い出します。
 
まず、教員採用試験の仕組みについては、あまり一般に知られていることではなく、「なんで北海道に行ったの?」とか、「北海道からこっちに帰ってくる時にも試験があるの?」とか聞かれるので、ちょっと書いておきたいと思います。
 
教員は地方公務員で、その賃金は県から出ます。(国からも出ます)
なので、採用を行うのは各都道府県です。
 
教員免許状は、国からもらうもので全国共通ですが、採用試験は各都道府県で別々に行われるわけです。
 
要するに、自動車免許とタクシー会社の関係です。
免許はどの会社でも同じ物を使いますが、採用試験は会社ごとに行われるという。
 
ですから、ある県から別の県に行くには、採用試験を受け直さねばなりません。
(ただ、この場合、勤続年数自体は通算されるとか、いろいろ特殊な処理があります)
 
なんではるばる北海道まで? とよく言われるのですが、近年の教員採用試験は、ブロック化が進行しています。
例えば、一次試験の日程は、
 
茨城県:7月10日(日)
栃木県:7月3日(日)・9日(土)・10日(日)
群馬県:7月10日(日)
埼玉県:7月9日(土)・10日(日)
さいたま市:7月9日(土)・10日(日)*1
千葉県:7月10日(日)
東京都:7月10日(日)
 
……というように、地域内で同じ日に実施されるようになっており、併願できません。(併願するのは自由だけど受験できない)
 
一方、関東ブロックでは見ての通り7/10がキーですが、東北では7/25がキーになっており、異なる地区なら併願することができます。
 
ですから、私の場合、採用された年には、地元の他、北海道・宮城県・愛知県の一道三県を受験していました。
それで、北海道だけが二次試験で合格することができたのです。(宮城は試験に独特の癖があって、一次試験は通るんだけど……。二次は通らなかった……)
 
現在はだいぶ緩和されてきたようですが、私が受験していた頃は非常に受験倍率の高い時期で(20倍とか)、こうして日本列島縦断で併願するか、さもなくば教員採用+一般企業で就職活動をするしかない状況でした。
 
私の場合、3年にわたって通算10回の採用試験を受けて、北海道だけが合格だったわけですね。
1勝9敗0引き分け。
 
北海道は、全国に先駆けて、一番最初に採用試験を行います。
ほかの都県と日程がかぶらないので、併願はどことでもできます。
 
でもなぜか倍率が低い。(私の時で5倍くらい)*2
 
「どうしても教員になりたい」
「教員免許を持っている以外アピールポイントがないので、一般企業には入れない」
……という私みたいな人(前者か後者かは秘密)は、是非。
 
私みたいに採用二年目で教務主任をやらされたりすると、他県を再受験する上でも有利かも知れません。
 
さて。
 
それでは、私が経験の末に考案した、小論文&集団面接の技術をお教えしましょう。(個別面接は……まあ、がんばれ)
これで合格できます!
たぶん、10回に1回くらいは。
 

小論文

よく、「練習あるのみ」「練習で書いた物を、他の人に読んでもらうと良いでしょう」とか言われます。
でも、練習したのと同じテーマが本番で出題されるとは限らない……っていうか、たぶんありません。
 
そこで発想の転換
 
何を聞かれても同じことを答えればいいのです。
 
まず、自分の中で、「教育において大切だと思うこと」を、3つくらい選びます。
候補としては、「個に応じた教育」「生涯学習の中での位置付け」「外部機関との連携」「開かれた学校づくり」「体験的な学習」「絶えざる研究と修養」「児童生徒との信頼関係構築」「職員間の情報共有と協力」……とか、いろいろあると思います。
 
ない人はもっと勉強して下さい。
 
で、とりあえず3つ選んだら、何を聞かれてもそれについて答えればいいのです。
 
Q:あなたの理想の教員像について述べなさい。
A:私とって理想の教員とは、第一に、個に応じた教育のできる教員である。私が小学生の時……
 
Q:不登校の児童に対して、あなたならどう対応するか。
A:まず大切なのは、個に応じた対応である。一口に「不登校」と言っても……
 
Q:確かな学力を身に付けるために大切なのは何か。
A:個に応じた学習指導がその基礎となると考える。なぜなら……
 
という調子で、「重要なこと」を三つくらい挙げれば、900字やそこらはすぐに書けます。(「個に応じた教育」一つで900字引っ張れるならそれでもいいと思いますが)
バカの一つ覚えならぬ三つ覚え。
 
もちろん、これは小手先の技術であって。
 
上の例文で言うと「……」以降に何を書くか、が一番力量を問われるところで、そこでこけると全然なんにもなりませんから、やっぱりちゃんと勉強もして下さい。
とはいえ、とりあえずこれで、「何を書けばいいのかわからない」という問題はクリアできるはずです。
 
あと、時間を計って書いてみる訓練はやっぱり重要です。
自分なりの時間配分を決めないといけませんから。
私の場合、45分の試験時間だったら、10分かけて大体の構想を練って(何をどういう順番で書くか、箇条書きにしてみる)、30分で書き上げて、あと5分で推敲・校正をします。
 
それと、稀に「山について」「自由について」とかいう抽象題を出す県があるそうです。
でも、教員採用試験の小論文ですから、「山登りの楽しさ」とかを書いてはもちろん駄目でしょう。
これは、「教育における山」とか「山における教育」、「教育における自由」「自由についての教育」といった、とにかく教育についてのテーマとして読み替えれば、対応できると思います。
 
いい加減長くなったので、面接対策はまた次回。
面接対策編→http://d.hatena.ne.jp/filinion/20060723

*1:政令指定都市は、県とは別に採用を行うことができる。

*2:採用2〜3年くらいでよその県に移ってしまう人が多いので、それを補充するため、採用数が多いのです。 ……やっぱり私のことか。