運動会の反省。(終わってないのに)

H18年度運動会・創作ダンス指導における教訓
1.振り付け
・早すぎるテンポの曲はNG。
・複雑な動作が良い動作なのではない。見栄えのする動作が良い動作である。動作は全身を使った大きいものに。(「運動量の確保」ができるくらい)
・パターンは少なく。(同じ動作を使い回す)
・A→B→C→A→B’のように、パートに分けると良い。
・前後のステップは、前から見て見栄えがしない。
・隊形移動には十分な練習時間を確保。列を保ったまま移動するようなわかりやすいものを目指す。
・隊形は、円などのわかりやすい形で。無意味に三角形にしたりしない。
・学年混合の場合、低学年が最前列だと、踊る時も入退場の時も整列の時も、わけがわからなくなりがち。低学年児童は高学年児童を見ながら行動できるような隊形を心がける。(中央列が高学年で、左右に低学年、とか)
・学年混合の場合でも、できる限り、低学年向けの振り付けと高学年向けの振り付けは別に考えること。
・動きは、最低でも4呼間を一単位として考えること。2呼間で右移動、2呼間で左移動、2呼間で回転して2呼間でポーズ、なんて動きはまず覚えられない上に、動きが小さくなってしまう。
・ダンスにはテーマが必要(入場時の放送で、「〜〜の動きで〜〜を表現しました」と言えるようなもの)。一つ一つの動きに意味があれば、練習する際にも覚えやすい。(「〜〜音頭」などと同様)
 
2.指導
・高学年児童に振り付けを考えさせる場合でも、上記の点に注意させる。
・振り付けを考えるのに立候補するような児童は、ダンスや音楽への意欲もあればリズム感も良い児童なので、そのレベルに合わせて自由に振り付けを考えさせると、他の児童には到底習得できないものになってしまう。
・一度考えた振り付けは、担任がチェックして、改善すべき点は指導する。
・学年混合の場合、高学年児童がまず完全に習得して、各自が低学年を指導できる形に。
・低学年列の間に高学年列が入って模範となるとか、下学年を小グループに分けて、それぞれを高学年児童数名が指導するとかいう形式をとる。
・振り付けの流れを紙に描いて配布するなど、各自に練習できるようにする。これは、担当以外の職員が自分の学級を指導するためにも必要。
・BGMのCDを配布する、模範演技をビデオにとって配布するなども有効。*1
・上級生が下級生を指導する場合、担任が「教え方を教える」ことは必須。子どもに任せきりにしない。
 
3.その他
・一度できあがったものは、他の先生に見せて意見を聞こう。(=早めに一度完成させよう)
・下の学年も、教える上級生も達成感を味わえるように。しかしそれは、上級生になにもかもやらせることと同義ではない。

今のところ、こんな感じかなあ。
 
運動会、今週末なんです。
 
……絶望的状況です。
 
今年の運動会の創作ダンス、初めての企画として、6年生児童、女の子たち数人が考えた振り付けで取り組んでいるんですが。
上に書いた「やってはいけないこと」を全部やっていて。
私が担当する3年生たちはまあまあがんばっているんですが、低学年児童には到底覚えられる振り付けではなく。
 
だって、見ていると、6年生でさえ、前で教えている数人の子以外は、まだ全然覚えられていないし。
ていうか、前でやっている子も、右に回るのか左に回るのかとかまちまちで、左右逆の方向に移動しようとして、朝礼台の上でぶつかったりしているし。
 
最初の練習で初めて振り付けを見た時、呆然としたんですが……。
(ていうか、前奏を聴いた瞬間「これは無理だ!」と思った。テンポ早すぎ)
どうも、6年担任も私同様その時初めて見たらしく。
 
しかし、てっきりその後修正が入るかと思ったらそれもなし。
 
指導するのも子どもに任せきりで、ほとんど脇で見ているだけ。
6年担任が見ているだけなのに、1〜5年担任が6年生にあれこれ口を出すのもはばかられ、とりあえず自分の担当の子どもたちを指導するにとどまるんですが……。
 
「この列は、4歩前に進んで4歩後ろに戻りまーす! この列とこの列とこの列とこの列も同じです! この列とこの列とこの列とこの列はその反対です! その時、頭の上でポンポンを振りながら歩きます! それじゃあやってみます!」
……とかいう指導でできるようになるわけないじゃん。
自分がどの列なんだかもわからずに右往左往する子が続出。
 
「静かにして下さい!」
っていう叫びを何度聞いたかわからないけど、静かにならないのは、
・わからない
・やることがない
の二つに原因があって。
だって、ちょっと練習するごとに、次に何をやるか、次の振り付けをどうするか(!)、指導する6年生同士で相談し合ってるんだもの。
その間、下級生はぼけっと立っているだけ。
そりゃあうるさくもなるわ。
 
先日、昼休みに体育館で練習した時には、最初6年担任がいなかったので、
「相談するなら、その間は最低でも誰か一人がみんなに指示を出さなきゃ駄目だ」
「口頭で指示するだけじゃなくて、もっと具体的にやり方を教えてあげなきゃならない」
とか、かなり口出しをしたんですが、それだけでは向上も望めず。
 
そもそも、今年、6年生が振り付けを考えることになったのには、昨年度の反省があって。
本校の運動会は、幼稚園・小学校・中学校の合同開催です。
 
で、昨年度の応援合戦の創作ダンス、中学生が考えた振り付けを、幼稚園の子まで覚えねばならないという無茶な状況。
もちろん全然できるわけがないし、脇で見ている中学校の先生はただ見ているだけだし、教える中学生は、応援団長のトップダウンでしか動けない体制だし、応援団長は「なんでわかんないの!?」とかキレるし、もう大変。
遂には、小学校の保護者(匿名)から、「運動会の練習で、指導する中学生に暴言を吐かれたとうちの子が言っている」……というメールが入って、中学校長名でおわびのFAXが流れるというさんざんな事態。
 
その反省から、今年度は、応援合戦は中学生のみとして、その代わり、小学生のみのダンスを入れたわけなんですが……。
 
ううん。
 
まあ、6年担任は体育主任だし、忙しいんだろうけどさ……。(ていうか、私ほど暇な人はいません)
やっぱり、全校生に関わるものだし、地域の人みんなに見せるものなんだし……。
 
で、なんだか末期的状況の最前線みたいな練習風景を見ながら、「何がまずいのか」「どうすれば良かったのか」を、自分で考えたり先輩の話を聞いたりしながらまとめたのが上の内容です。
 
「私だって、ダンスの振り付けを考えさせられることがあるかも知れませんからね」
「何言ってんの! そんなのあるにきまってるじゃないか!」
「えー」
「まだ若いし。年輩の先生と学年組んだりしたら、絶対やらされるぞ?」
「ええー」
 
私がダンスの振り付け指導を……。
 
ありえねえ……。
 
ていうか、大学で教育学やら国語学やら児童心理学やらの講義を受けてる時、自分にダンスの振り付けだのモンシロチョウの飼育だのの技能が必要になるなんて思わなかったよな……。

*1:音楽CDはもとより、振り付けビデオでも、BGMが入っている場合、著作権への配慮が必要なので注意しましょう。……いや、ばれないように注意するんじゃなくって。