お勧めゲーム紹介。
(ホントにお勧めだから書くんですが、でも、この記事は、「シリアスゲーム」に関する記事の前フリである予定)
私が、たぶん一番長いプレイ時間をかけたゲーム。
それが「シヴィライゼーション(CIVILIZATION)」です。
シド・メイヤー作の、シミュレーションゲームの名作です。
いや、私がやったことがあるのはプレステ版の「2」までなんですけど。
今出てるのは「4」で、以前よりずっと進化した上、ネットワーク対戦にも対応してるらしいんですけどね。
その名のごとく、文明の発展を扱ったゲームです。
プレイヤーは、ある民族の指導者となります。
ゲーム開始当初は、自民族はようやく灌漑農業を編み出したばかり。
文字も車輪も、宗教もありません。*1
紀元前4000年、世界には、「都市」というものが一つもありません。
そんな自民族を指導し、科学の発展を推し進め、<青銅器><君主制><蒸気機関><石油精製>……といった知識を獲得し、やがては恒星間宇宙船を建造し、アルファ・ケンタウリ星系への植民に一番乗りを果たすのが、ゲームの目的です。*2
世界に存在するのは自分たちだけではなく、ライバル文明も複数います。
彼らと、時には知識を交換し、時には戦火を交えながら、発展を目指します。
(ちなみに、ライバル文明を全て滅亡させ、世界を征服してもゲームクリアになります)*3
ウィル・ライトの「SimCity」*4も好きなんですが、あれはゲーム的に与えられた目標はなく、プレイヤーが自分の心の中で目標を設定するゲームです。
一方で、こちらは明確な目標があり、下手をすれば民族が滅亡してゲームオーバーに。(「SimCity」だって、財政赤字で資金が尽きたり、支持率が下がりすぎるとゲームオーバーだけれども、そんなことは滅多にない)
いや、目標のないゲームが悪いわけじゃないんですが。
一回クリアするのに数十時間とか、百時間以上とか平気でかかりますが、なんどプレイしたことか。
舞台となる「世界」の姿や、自文明・ライバル文明の配置はプレイのたびにランダムで作られるので、毎回違った展開に。
最初は、自分たちの周囲のほんのわずかな範囲しか見えません。
少しずつ探検を進めて、新たな都市を建設し、他の文明と遭遇し……。
それに、どの時代でも、自分たちの力は限られています。
その力を何にどれだけ配分するのか?
今は、都市の生産力をマスケット兵の増産に振り向けて、敵都市を征服すべきか?
それとも、銀行を建設し、都市の経済的発展を目指すのか?
食料の生産を重視して、人口の増大を優先するのか?
それとも、知識の集積を重視して、科学の発展を優先するのか?
科学を発展させるにしても、<鉄器>を発明して、他国に先んじて装甲歩兵を配備すべきか?
それとも、<共和制>を発明して、より進んだ政治体制に移行すべきか?
文明の威信を懸けた大事業、「七不思議」の建設は、完成すれば大きな効果をもたらします。
ピラミッド、ニュートンの学士院、フーバー・ダム等々。(「七不思議」というのはある意味日本語版の誤訳であって、七つよりずっと種類が多い)
考えることが色々あって、一つ一つの判断が近い将来にダイレクトに跳ね返ってくる。
それが楽しいのです。
また、同じ作者の「シヴィザード(Civizard)」も面白いです。(パソコン版では「Master of Magic」というタイトル名らしい)
テーマは似通っていますが、よくRPGである剣と魔法のファンタジー世界が舞台。
プレイヤーは、一人の魔術師として、ある種族の発展を支えます。
「シヴィライゼーション」と違うのは、まず、なんといっても魔法が使えること。
都市の発展に関するルールは簡略化されていますが、「都市に<生命の息吹>をかけて人口増加」とか「兵士に<透明化>と<再生>をかけて……」とか、採れる行動のバリエーションが豊かに。
「ウォーシップに<飛行>と<透明化>をかけると、敵を一方的に射撃できるよ!」
「でも、アンデッドには<幻想免疫>能力があるから、ゾンビには見破られるよ……」
とかとか。
ちょっと、考えること多すぎな気もするが。
また、「シヴィライゼーション」の「民族」は、実のところアメリカでもアステカでも名前の他は大差ないのに比べ、「シヴィザード」の「種族」は、人間の他、知性ある巨大アリ「クラックオン」、二足歩行し、背中に翼のある爬虫類「ドラコニアン」など多彩で、それぞれに強烈な個性を持っています。
それから、プレイヤーは、ゲーム開始時、どんな特殊能力、どんな呪文書を持ってゲームを始めるか選ぶことができ、それによってゲームの進め方が大きく異なってきます。
そして、ライバルたちも毎回違う能力を持っています。(「シヴィライゼーション」では、それぞれの指導者たちは、内政重視か領土拡大主義か、といった性格の違いしかない)
展開の多彩さ、という点で、「シヴィライゼーション」より上でしょう。
で、近々「Civilization 4」の日本語版が出るので、それも買いたいなあ、などと思っている次第。
……ただ、このシリーズで、なんだかなあ、と思っているのが、「アルファ・ケンタウリ(Alpha Centauri)」。
ゲームシステムは似通っていて、舞台は遠未来、アルファ・ケンタウリ星系。
いや、私はSFも大好きです。
「シヴィライゼーション」については、古代技術は充実しているものの、未来の科学については、せいぜい<核融合>あたりまでしかサポートしていないのにちょっと不満を持ってもいました。
だから、「アルファ・ケンタウリ」の<倫理微積分><レトロウイルス工学><懲罰スフィア><ナノ病院><量子コンバータ>なんて、名前を聞くだけでわくわくします。
「アルファ・ケンタウリ」を、「シヴィシリーズの最高傑作」と断言する人もいます。
……でもなあ……。
これ、要するに「シヴィライゼーション」の後日談で。
遂にアルファ・ケンタウリ星系に到達した、移民船の膨大な乗員たち。
ところが、彼らは、それぞれ思想の違いからいくつもの党派に分裂。
入植した惑星上で、資源を奪い合いながら、何世代にも渡る果てしない闘争を続けるのだった……。
って。
思わず「そんなことのために貴様らを送り込んだんじゃねえ!」と叫びたい気分に。*5
ともあれ、いずれも名作です。
ぜひ、プレイしてみて下さい。
……時間はとられる……っていうか、はっと気が付くと夜半過ぎだったりしますが。
しかし、「SimCity」の時も、「市長の任期何年やねん」とか思ったけど(プレイヤーが望む限り在任できるわけで、時には百年以上)、「シヴィライゼーション」の6000年にわたって民族を率いる指導者ってのは、化け物そのものだよなあ。