某月某日。
六年生と一緒に給食を食べました。
ふと見ると、一人の子が、サラダのコーンだけを残しています。
「コーン嫌いなの?」
「違いますよ、逆です、逆。 コーン好きだから、コーンだけ後の楽しみに取っておこうと思って」
好きなものは後に取っておく人って、いますけどね。
「でも、それっておいしいか? コーンと他の野菜を一緒に食べた方が、サラダ全体もコーンもおいしく食べられると思うけど。カレーライスを、ルウとライス別々に食べてるようなもんじゃない?
私も、子どもの時は、エビチャーハンのエビだけ残して、後でまとめて食べたりしたけど。でも、結局、料理は全体を一緒に食べた方がおいしいって気付いたぞ」
「あ、私、海老炒飯は嫌いなんです」
論点がずれてる。
「だって、海老の殻を剥くのがめんどくさくて」
待て。
「君の考えてる海老炒飯、どうやら私の食べたことがない料理らしいぞ」
実はその子のお母さん、香港出身なんです。
いいなあ、香港。
しかし、そんな豪勢な食文化に育った人でも、コーンだけ後に残すようないじましい真似をするのか。