チョコレート、ギブ、ミー!

バレンタインデーでした。
 
我がK村学級では、ストーブの上でチョコレートを湯煎にし、子どもたちとチョコレートフォンデュをやりました。
 
「みんな、チョコレートは好きかな?」
「だいすき!」
「あたし、ホワイトチョコレートしか食べられない」
「あたしはブラックしかだめ」
「……贅沢な奴らがいるな」
 
なんか、最近の子どもって、あんこ物は嫌いだからまんじゅうは食べないとか、そういうのがいるんですよ。
 
せ、先生が子どもの頃はな、甘い物なんてそれだけで貴重だったんだぞ!
(いつの終戦直後だよ)
 
いや、母(農家出身)は子どもに甘い物を与えたがらなかった上、戦後の食糧難育ちの父(親が軍人だったので戦後苦労した)が、子どものおやつまで勝手に食べちゃうので、実際甘い物は貴重だったのです。
 
三時のおやつが「柿ピーと干しぶどう」とかいう幼児期だぞ、うちは。
チョコレートなんて滅多にお目にかかれなかったし、清涼飲料水を飲む事なんて、果たして年に何度あったか!
 
……と、ともあれ。
 
仕方がないので白黒二色のチョコレートを買って、牛乳を入れて煮溶かしました。
 
チョコレートを絡めるのは、イチゴ、バナナ、カステラ。
 
ただ、さっき
チョコレートフォンデュ具検討会
を見たら、辛いものとか塩辛いものでもいけたらしいので、ちょっと残念。
もっと早く読んでいれば。
 
しかし、子どもたちは大喜びでした。
 
一時間目から湯煎をはじめて、途中ボウルを取り替えて(チョコが二種類あるから)かきまぜながら授業。
 
教室中に漂う甘い香り。
 
授業にならんだろうそれは。
 
すみません。
でも、食べたのは休み時間ですよ?(あんまりフォローになってない)
 
「おいしい!」
「甘い!」
「先生、水がのみたい」
 
そりゃまあ……。
そんなすごい勢いでチョコをもりもり食べたら、口の中がおかしくなるだろうよ。
 
「水、飲んできたらいいだろうに」
「やだ! 帰ってきたらイチゴがなくなってそうだから!」
 
仁義なき戦い
 
「……時に皆さん、バレンタインって、何の日か知っているかな?」
「はーい! 女の人がすきな男の人にチョコをあげる日!」
「はーい! 女の人がすきな男の人にこくはくする日!」
 
さすが現代っ子
無駄にませてるな、2年女子……。
 
「ですが、女の人がチョコをあげる、というのは、日本だけの風習なんです。アメリカやヨーロッパ各国などでは、男性が女性にプレゼントしたり告白したりしてもいいし、あげるものもチョコレートでなくていいんですよ」
「あ、あたしきいたことある」(英語教室に通っている女児)
 
「なにしろ先生も女じゃないですからね。まあ、女の人じゃないけど、先生は大好きな子どもたちにチョコレートをあげる、ということでした」
「……ここはアメリカだったのか」
 
そのツッコミ禁止。
 
「……でもさ、今日あたしたちが先生からチョコをもらったってことは、ホワイトデーにはあたしたちが先生におかえししないといけないの?」
 
……それは盲点だったな。
 
「……まあ……、お好きに。ホワイトデー、というのは、日本と韓国だけの風習だそうですよ。そもそも、バレンタインデーに男の人がプレゼントをあげてもいい、ってことなら、ホワイトデーの存在意義はないからね」
 
韓国にもホワイトデーがある、というのは、fivefogsさんのブログの受け売りですけども。
http://d.hatena.ne.jp/fivefogs/20060206#p3
http://d.hatena.ne.jp/fivefogs/20060209#p2
「贈り物されたらお返しをする」というのが、そもそも儒教的というか日本的な発想ですから、韓国のもおそらく日本から輸入されて、定着したのでしょう。
そして、韓国にも、それが定着する文化的素地があったのでしょうね。
……と思いきや、韓国にはさらにブラックデーまであるのか。奥深いな。
 
まあ、生まれて初めてホワイトデーを楽しみにしている今日この頃です。