政治の季節(3)〜学校統合関係・補足〜

学校統合関係の現状。
 
18年度統合か、19年度まで様子を見るか、で、保護者のアンケートを取り直しました。
今回はなんと回収率100%。
 
結果、およそ三分の二が「19年度」派でした。
 
……っておい、反対派の方が多いぞ。
 
どどどどうするんですかそれ?
 
……って、私があわてても仕方ないんですけど。
 
だって、私は一介の教員です。
子どもたちのことを考えると、思うところがないわけじゃありませんが、結局、身分としては県の職員に過ぎません。
地域の人のように、統合に賛成とか反対とか、責任を持って言える立場じゃないわけです。
 
……集計に当たったPTA会長が、アンケートのコピーを校長先生の机の上に置いていったので、職員室のみんなで盗み見ました。(……って書くと、なんかひどい職場みたいだな)
 
するとなにか、「ご意見をお書き下さい」の欄に、
「この選択肢は間違っています。統合すべきではありません!」
とか、
「これは不正です! 不正が行われたのです! 不正による結果は取り戻される権利があります!」
とか、
「PTA会長らの不手際によって、このような悲しむべき事態が引き起こされたのを残念に思います」
とか……。
 
「う、うわ……。こ、これ、PTA会長さんが集計したんですよね」
「……これは、きっついなー……」
「会長さん、つらいですね……」
 
なんか、「別紙参照」とか書いて、A4一枚にびっしり反対意見を書きつづったのをホチキス止めしてきた人もいました。
 
「不手際」とか「不正」とか言っても、PTA会長さんはただただ最善を尽くしてきたと思うんですが……。
「最善を尽くすだけでは十分でない」という、にっちもさっちもいかない状況が、世の中にはあるんですね……。
 
前回の記事を書いた後で聞いたところでは、今回の統合の話は、そもそも地域の区長さんが言い出したことなのだとか。
 
区長さんはもうかなり年配の方で、子どもや孫など、身内に本校に通っている児童はいません。
 
で、区長さんが個人的に地元議員の所へ行って学校統合の話を持ちかけて、そしたら議員さんがそれを「地域の意向」だと言ってあちこちで触れ回って、それから地域の保護者の耳に入って……という流れだったようです。
 
学校は、耳の早い保護者経由で噂を聞いていたわけですね。
 
それで、最後の最後まで、行政からも学校からも公式のアナウンスがなく。
 
なので、かなり早く噂を聞きつけた保護者もいた一方で、話を聞いた時には決まった後だった、という保護者もいたようです。(……協議会から、ある程度の通知は行っていたはずなんですが……)

 
行政も学校も、最後まで「まだ噂の段階だし、我々が広報する立場ではない」……という発想で。
 
というのも、議会で決定されるまで、行政も学校も具体的な仕事はしないし、したらかえっておかしいですから。(行政は議会の決定を元に動くのが議会制民主主義のルールで、その枠を踏み越えて行政が勝手に動くことは許されません。 ……すごく官僚主義的な物言いだな、我ながら)
しかしながら、議会で決定されてから広報するのだと、「遅すぎだ!」という声が出ますし、それはそれでその通りです。
 
だから、議会に提出する準備が進行中だ、という段階で、地域にアナウンスが必要だったんでしょうけれど。
しかし、その段階では、教育委員会も学校も何一つ関わっていないから広報しようがない。
 
広報するとすれば、準備を進めている議員さんがするんでしょうか?
 
しかし、議員さんとしては、選挙活動の時に学校統合を公約(の一つ)にして、それで当選した以上、地域へのアナウンスと意見の聞き取りは済んでいる、ということになるでしょうし。
それに、たとえ反対意見が多数あっても、議員一人一人は選挙公約実現のために働くのが、自分に投票してくれた有権者への責任だ、という立場になるでしょうし……。
 
国会の重要法案みたいに、
議会に提出>審議>決定
のプロセスでそれなりの時間がかかれば、その間に住民が動けたかも知れないけど(それでも短すぎ?)、地方議会じゃあそれも望むべくもなく。
 
噂を聞いた段階で、学校が議員さんの所に話を聞きに行って、地域の意見を調査しますから、って話を持ちかければ良かったんでしょうか?
でも、それだと、かなり学校が政治的な動きをしているみたいですよね……。
 
ううーん。
どうすれば良かったんでしょう。
 
「なんか、校長先生が、『おれは、どうあってもPTA会長だけは守ってやるんだ』って言ってたよ」
「会長さん、真面目で、背負い込むタイプだからねえ……。縄とか、吊ったり括ったりするようなものは、隠しといたほうがいいかもしれないよね……」
 
う、うわ。
何か違う問題が?
 
ていうか、真面目な話、PTA会長さん、一男一女のお父さんなんですから。
どうか気を強く持って下さい。