オンラインの天使(祝:TORG再版)

先に言っておきますが、TORGとは何の関係もない記事だよ、これは。
トーグ再版ってのは、新版の翻訳が出るらしい、ということで、これはRole&Roleのvol.15に出てたんだよ。他には何も知らねえよ、刑事さん。
 
気が付けば、明日(いや、今日か)は決戦ではありませんか。
 
思えば、ここ90日(……実質、120日超だけど)は、なんだか変に充実した日々でした。
 
非日常も続けば日常になります。
 
これまでの生活もすっかり日常として定着して、その全てが、基本的には明日結果を出すためのものであったとは、なんだか妙な気分です。
まだ同じ生活が続くような気がします。
 
今日は、ショッピングモールへ買い物に行きました。
 
で、久しぶりに外食。
 
このモールに入っているイタリア料理のバイキング(イタリアンバイキング……。弱そうだ。旗艦は戦艦ローマ。一撃必沈)が前々から美味しそうだと思っていたんですが、カロリー制限の関係で控えていたのです。
 
でも、まあ、景気づけで。
一晩で太りもしないだろうし。
あれ一食で4000kcalくらい食べたんじゃないかな。
 
しかし目的は食事ではなく、コートです。
 
明日着ていく礼服の上に、コートを着るか、着るにしても新しく買う必要があるか、迷っていたのです。

  • 服は前から持っていたダークスーツを着ざるを得ないのだから、コートくらい新調してはどうか。
  • いや、チャコールグレーのロングコートがある。あれでいいだろう。自分はあれが気に入っている。
  • そういう、いわゆる「マント系」がお気に入りなのは自分がオタクだからだ。
  • しかし、あれは初めてのデートの時に着ていったもので、縁起もいい気がする。
  • それで「しつけ糸がついたままですよ」って指摘されたんだろうが。どこが縁起がいいんだ。
  • いずれにせよ、決戦はもうすぐだ。この分だとそんなに寒くない気がする。
  • しかし、備えあれば憂いなしとも言う。
  • むしろ自分の場合、厚着しすぎる方ことを警戒すべきだ。
  • それは確かに。

あんまりいい話じゃなくて申し訳ないですが、自分、少し汗をかくと体臭が気になるのです。
子どもからも指摘されるくらい。(子どもは正直だ……)
 
消臭スプレーなども試したのですが、某所で
「汗などはそのままでは臭わない。そこで雑菌が増殖するのが悪臭の元なので、変な芳香剤が入った制汗スプレー等を使うより、消毒用アルコールで殺菌するのが最も効果的で安価な方法だ」
……という主張を読み、「なるほど!」と思って以来、携帯用のアルコールウェットティッシュを使っています。
 
しかし、それは臭い始める前に使わないと意味がなく。
気が付いたらすでに遅かった、というような時は一度着替えるしかありません。
 
夏は、学校のロッカーに替えのTシャツを常備していますが、冬でも油断はできません。
 
……てなわけで、コートは買わない方向で自分の中で決着しかけていたのですが。
 
「図書館の天使」という言葉をご存じでしょうか。
 
ユング精神分析学における「シンクロニシティ」の一種で、何かを必要としていたり興味を持っていたりする時、「偶然にも」まさに適切な本が目の前に現れる、という状況を指します。
リチャード・バック(「かもめのジョナサン」の著者)の、「イリュージョン」には、「時には、ライフルの教則本に人生の指針が見つかることもある」*1……みたいな表現*2がありますが、そういったことです。
 
ユングのこういう主張は、師であるフロイトが超常的なものを認めなかったのと対立するわけですね。
他にも対立点はいろいろあるのですが、どのみち精神分析学なんか疑似科学なのでまあいいや。(暴言?)
 
ともあれ、先日例によって車の中でラジオをかけていたら、ラジオドラマが始まったので音量を落としました。
基本的にニュース以外にはほとんど用はないのです。
しかしオフにすると、それっきりオンにするのを忘れるので(そして、トンネルをくぐる時に、「聞こえなくならない」ことに気付いて思い出すのです)。
 
そうして、小さい声でラジオドラマが流れるのを聞き流しながら歌など歌っていたら、ふっと耳に入った登場人物の言葉が、
「……でも、コートだけはいいものを買った方がいい」
でした。
 
……ラジオの天使?
 
やっぱりそういうことってあるんですよフロイト先生!
 
もちろんただの偶然だけど!
 
あと、
「いや……お墓参りったって、節目の法要とかじゃないし、二人きりだし、昼食を食べてお墓に行って、その後夕食も食べるんだろうし、黒スーツまで着る必要はないのかな……。もっとカジュアルな服装でもいいかな……」
と思っていたら、知り合いのブログに
「社会人なら、とりあえずスーツで間違いない」
みたいな話が書かれていたり!
 
そうか、やっぱり君もスーツだと思うか!
実は俺もそうじゃないかと思っていたんだが、君までそう言うなら仕方ないな!
 
……いや、別に、スーツで行って外した時に、他人のせいにするつもりは毛頭ないですから。
ええ、あくまで自己責任で。
 
だから、もしもの時は覚悟してろよ!(嘘ですごめんなさい)
 
まあ、黒くないネクタイで出かけて、墓参りの前にネクタイを替えようかと。
それで先日(ブログを読んだ後)ネクタイも買いまして。
 
さて、上着の上に着るコートを買う相談を店員と。
 
「こっちの短いのの方が、普段着としても着られますよ」
「む」
 
そっちの方が高いのに、つい勧められたのを買ってしまう自分。
 
「……黒い上着は、なんだかんだでいっぱいあるからな……」
「そうですね。冬はどうしても外側は黒っぽくなりますから、こういうベージュとかも逆にお勧めですね」
 
……で、ベージュを購入。
 
「この間買ったネクタイはいかがでしたか」
「あ、いや。まだ使ってないので」
「ああ、そうですか」
 
会話にならねえ。
 
仮性引きこもりだから、こういう何気ない会話が苦手なんですよう。
っていうか、こういう店では緊張しちゃうんですったら。
 
「そろそろ寒くなってきましたからね。早めに準備しないといけないですよね」
「ええ……」
 
しまったっ、やっぱりこれを明日着るのは早いか!?
 
「明日は、この冬一番の冷え込みだそうですしね」
「あ、ああそうですか。じゃあ、明日早速着るかも知れませんね」
「明日お仕事なんですか?」
「いや、法事で……」
 
え? という顔をする店員。
 
そうかー! 考えてみれば法事にベージュの上着はないだろうが!
 
ど、どうしよう……?
 
……とまあ、こんな感じの「変なお客」っぷり。
 
ほら、明日がいよいよ当日なので、気が動転してるんですよ!
いつもこんな感じだけど!

  • しつけ糸は抜いたかね?

うるさいよ。
 
と、そこへ携帯が鳴ります。
 
「はい、K村です」
「Hです。あのですね。昨年、産休補助で本校に勤務していらしたY助教諭なんですが」
「はい」
「お母様が亡くなられたと言うことで、今夜お通夜で、明日お葬式だそうです」
「は?」
「それで連絡が入りまして。校長先生は、『出るかどうかは自由だ』……ということなんですが、まあたぶんみんな行くと思います」
「……は……はあ……」
 
…………。
 
え?
……法事の天使?(どこの宗派だそれは)
 
……とりあえず、近くに住んでいる先生にお香典だけ託そうかともくろみ中です。
 
これこそ触媒的外化作用の実例です!*3
 
プラン_90:作戦要項
・主たる行動方針として、機動防御戦術を採用する。目標の出方を速やかに察知し、これに対処すること。
・その一方で、機会を見て、手持ちの資源を生かした反攻作戦に移行する。
 
作戦目標
作戦目標(勝利条件)は以下の通りである。
 
戦略的敗北(大敗北):「やっぱり、もう会わないことにしようよ」「この人が新しい彼氏なの」
戦術的敗北(敗北):「彼氏、というより、相談相手としてつきあってほしい」
引き分け(引き分け):「もうしばらく距離を置いて考えさせてほしい」
戦術的勝利(勝利):「やっぱり、前みたいにつきあうのがいいかな、と思った」
戦略的勝利(大勝利):「三ヶ月で、ちょっと変わったね」「離れてみて、先輩がいないとだめかな、って思った」

*1:これを積極的につきつめると、「剣道」「柔道」「華道」……そして「ライフル道」になるのかもしれませんね。

*2:高校時代に図書室で読んだのでうろおぼえです。

*3:ユングフロイトと議論している時に言った言葉。……らしい。
要するに、「これこそ心霊的現象だ」ということ。
 
ある時、フロイトが、ユングのオカルト方向への傾倒に苦言を呈し、議論となった。
その時、本棚の奥から爆発音が聞こえた。
その時にユングが発した言葉。

フロイトは、「これこそ心霊現象(ラップ音……ということになるのか)だ」というユングの言葉を一蹴したが、ユングが「もう一度あの音が聞こえるでしょう」と予告すると、また同じ銃声のような音が聞こえ、さすがのフロイトも大きな衝撃を受けたという。
 
……でも、この話、結構前に聞いたんだけど。
ネットで検索したら、二度目の音の言及がない話とか、「本棚のガラスが割れた」とか「引き出しの中のスプーンが爆発した」とか……。
信憑性としてはどうなんだろ。