見直し考え直し。

私、学校の安全教育係と交通指導係を兼任しているんですが(もうだめだー)。
 
教育委員会から、「今年度に入って、通学路を見直したか? 少しでも見直した場合は『見直した』に○をつけること」……という調査が回ってきて。
 
……まあ、あれだ。
 
以前の情報教育基本調査と同じで、
「本県では、最近の事件を受けて、こんなにたくさんの学校で通学路の見直しが行われました」
……っていう数字作りがしたいんだろうさ。
 
調査書類から、「見直せー、見直せー」っていう圧力を感じましたよ。
顔が押されて読みにくくてしょうがなかったです。
 
その反作用で書類が吹き飛ぶところでしたよ。
主にゴミ箱の方向へ。
 
教育委員会が何を考えているか知りませんが(知っているけど)、うちの学校の場合、なにしろ校区そのものが一本道だから見直しようがないのです。
 
まあ、今回の事件の場合、「交通事故の危険を考えて、人通りの少ないところを選んだ」……というのが、裏目に出てしまったわけで、見直しを訴えたい気持ちもわかりますが。
 
ただね?
 
昨年一年間で、徒歩で移動中に交通事故にあって死んだ15歳以下の子どもは、1000人もいるんです。(自転車の運転中や、自動車の同乗中を除いた数字)
 
これに対して、変質者被害で死んだ子どもはその何十分の一とかです。
 
もちろん、広島や栃木の事件は悲惨だし、交通事故と違って明らかな「悪意」があるために、ずっとショッキングに感じられるのは当然です。
人命は数字で量れない……というのも、それそのものは真実ではあります。*1
 
でも、「子どもが交通事故で毎日何人も死んでいる」ことと、「我々はそれをショッキングに感じていない」ということは、ちょっと考え直す必要があると思いますよ。
 
……で、考え直した上で通学路の見直しを要求して頂きたい。

*1:しかし、非情なようですが、こういう一時的な感情論に動かされて、通学路みたいに後々影響するものを決定するのは危険だと思います。
危険を0にできないなら、少しでも危険の少ない方法を選ぶ以外、できることはないのです。
交通量の多い道を通学路に選べば、ショッキングな事件は減るかも知れませんが、ショッキングではない死を迎える子どもがそれ以上に増えるかも知れません。
なんとかして、どちらも減るような道を選ぶのが、学校関係者の役目なのかも知れませんが……。