A男「あのねえ、前、ゆめできれいな女の人が出てきたことあるんだよ」
担任「へえ」
A男「それで、その人すきになっちゃった」
照れ笑いするA男。
まあ……、時にはそんなこともあるかも知れませんね。
A男「でも、このごろはそんなに見なくなった」
担任「そんなに何度も見たの?」
A男「うん」
担任「知ってる人なの?」
A男「うん」
担任「……いや、つまりさ。その人と夢じゃなくて会ったことはあるの?」
A男「ううん」
……むう……。
時折夢に現れる美しい女性。
まだ幼い少年は、知らず知らず、彼女に心引かれていくのだった。
しかし……。
「しかし」かよ。
いや、こういうのって、小説とかだと、たいがいろくな結末にならないですよね。
相手が実は人間じゃない確率が82%くらい。
……いや、悪い冗談はそれくらいにしまして。
でも、その手の話がいろいろ書かれているということは、そういう経験をした(そして「それを追うとろくな結果にならないな」と感じた)作家が多くいる、ということなんでしょうか。