公安? 交通安全?

 面白かったサイト。
 
 ふと、「公安審査委員会国家公安委員会公安調査庁ってどう違うんだっけ?」という疑問に駆られてGoogle検索。
 
 一番面白かったのは公安調査庁のホームページでした。
http://www.moj.go.jp/KOUAN/
 
 ……あれ? ネタ探しをしてたんだっけ、自分。
 
 まあいいや。
 以下、面白いところをダイジェストでご紹介。
 
 まず、「公安調査庁がなにをするところだか全然知らない」という方は、はてなダイアリーのリンク先をお読み下さい。
 便利だな、はてな
 (でも、オウム事件以降、調査第一部と第二部は、それぞれ国内問題と国外問題担当になった、って聞いた気がするんだけど……)
 
 破壊活動を行う可能性のある組織について調査する、というのが活動の内容で、

公安調査官に付与されている調査権限は,証拠物を押収したり,家宅捜索を行うなどの強制的なものではなく,任意調査に限られています。

 ということから、組織内部に協力者を得て調査を進める、ということも多いようです。
 
 ……それってスパイ?
 
 実際、「調査」される側からの嫌われようはすごいもので、日本共産党のホームページなんかでは、

公安調査庁は、国民にたいするスパイ活動を日常的におこなっている秘密警察の一つです。

 
 以下、ずいぶんなことを言われています。
http://www.jcp.or.jp/faq_box/001/991129_faq.html
 より。
 ……これを見ると、共産党は「オウムにはもっと厳しくしろ」と言いたいんですね。
 やっぱり共産主義と宗教は相容れないんだなあ)
 
 「秘密警察」でありながら「強制捜査権がない」から、スパイ的な活動にますます重きが置かれるわけですね。
 
 一方で、(共産党も言ってますが)あのオウム真理教については、でっかい毒ガスプラントを建設したり対戦車ヘリを購入したり自動小銃を製造したりしてたのに、実際に地下鉄サリン事件を起こすまでまったくノーマークだった、というお茶目な一面もあります。
 オウムの方では「自分たちの中に公安のスパイが紛れ込んでいる」と固く信じていて、スパイの疑いを掛けられた信者が教祖の命令で殺害されたりしてたんですが。
 
 片思いって切ないですね。
 
 しかし、それでは、公安調査庁自身は、自分たちのことをどう紹介しているのでしょうか。
 
 「採用案内」のページ(http://www.moj.go.jp/KOUAN/SAIYO/index.html)を見ると、

生涯の最も長い時間を国家公務員として過ごすことを決意されたあなたは,どういうライフプランをお持ちでしょうか?
 長時間デスクに向かい,書類の山に囲まれて仕事をするのも一つの生活です。
 ところで,あなたは公安調査庁という官庁をご存知でしょうか? そこは,官庁といっても,堅苦しいデスクワークや決まりきった窓口業務に代表される「お役所」のイメージとはちょっと違ったところです。

 
 ……普通の勧誘の文章なら、第二文は
「長時間デスクに向かい,書類の山に囲まれて仕事をする生活が望みなのですか? もっとアクティブな仕事がしたくはありませんか?」
 ……みたいになるはずだと思うのですが。
 
 いきなり出てくる「ところで」がかなり無理矢理な感じです。
 法務省の一部局の立場として、「書類の山に囲まれて仕事をする」人々をあえて否定しない(できない)らしいのが、味がありますね。
 

内外情勢に関心のある方,「情報」に興味のある方,民主主義体制を擁護する仕事に情熱を感じる方,そして何よりも,仕事を通じて自分の人生をアクティブなものにしたい方は,ぜひ公安調査庁を訪ねて下さい。人生を賭けるに足りる職場が,あなたを待っています。

 
 「仕事を通じて自分の人生をアクティブなものにしたい方」!
 「人生を賭けるに足りる職場が,あなたを待っています」!
 素晴らしい!
 思わず入りたくなってしまいますね! ね?
 
 あとは、「処遇」を見て、「あー、キャリアかそうじゃないかで雲泥の差だなあ」とか、

 「Q&A」の「特定の学部を出ている者が有利ということはありません。当庁では,あなた自身の若い熱意とやる気を評価します」とか、いろいろ面白いところはあるんですが。
 
 しかし、やはり、実際に勤務している方の言葉を知りたいところです。
 
 そこで、
 ☆★法務省をめざす女性の皆さんへ★☆を見てみましょう。
http://www.moj.go.jp/KANBOU/jinji10.html
 
 これは、法務省関連の職場で働いている女性職員の方から、採用試験受験を考えている方へのメッセージです。
 
 公安調査庁に限らず、法務省関連の職場全体からの記事ですので、検察庁・入国管理局など幅広いところからメッセージが寄せられています。
(というか、公安調査庁のホームページ自体が、法務省のホームページの一部なんです)
 
 たとえば、さいたま地方検察庁からは、
 「検事という職業の魅力」(検事・古賀由紀子さん)
 という文章が寄せられています。
 
 矯正局からは、
 「道を拓く女性達へ」(総務課専門官・椿百合子さん)。
 
 そして、我らが公安調査庁からは、
 「新人女性職員として」(公安調査庁職員A
 「机にかじり付かず,アクティブに活躍してみませんか」(公安調査庁職員B
 
 本名は言っちゃいけないんですか!
 
 ていうか、職名も詳細は明らかじゃないし。
 
 いや……やりがいのありそうな職場ですね。
 

私たちは,普段は目立ちませんが,民主主義体制の存立基盤を守る,まさに“国民全体の奉仕者”冥利に尽きる仕事をしています。
 国家公務員を目指す一人でも多くの方が,当庁に関心を持って下さることを期待します。

 
 目立たないにもほどがあると思いますが、関心を持たれた、仕事を通じて人生をアクティブにしたいけど目立ちたがりではない方、民主主義体制擁護のためにどうかがんばってください。
 
 ……でも、デスクワーク主体じゃない公務員なんていくらもあるんですから(デスクワークのない公務員は、たぶんないけど)、早まらないようにして下さいね。